はじめに…
黒石川で撮影したカワセミです。
羽を閉じた時の体の大きさは人の拳大で鮮やかな青い色羽毛と
大きな嘴(くちばし)と短い尾が特徴の野鳥です。
2021年12月中旬、自宅近くの黒石川を散歩していた時、青く美しい小さな野鳥と遭遇しました。
黒石川は市内を西から東にかけて流れる、幅15メートルほどの二級河川です。
去年の春に撮影した黒石川の様子です。
満開のソメイヨシノの枝が川面を覆うように伸び、その下で川遊びをしている親子連れが見えます。
岸辺にソメイヨシノが植えられ、春は散歩がてらに花見を楽しむ市民で賑わいます。
「街中を流れる川にカワセミ?」と最初は半信半疑でした。
野鳥にそれほど詳しくはないのですが、カワセミはコバルトブルーの羽をもち、「清流の宝石」とも呼ばれる美しい鳥であることは知っていました。
コンクリートの護岸(ごがん)の上で獲物の小魚を待ち伏せしているカワセミ
カワセミの撮影に夢中になりました。
カメラの愛好家にとっては魅力のある撮影対象の一つです。
その美しい姿に魅かれ、暇を見つけてはカメラを携えて、何度も黒石川に足を運びました。
川の浅瀬の石の上で獲物を待ち伏せしているカワセミ
そうしているうちに付近の人たちにとって、カワセミはなじみ深い存在であることを知りました。
すれ違う市民や子供たちが声をかけてきて、カワセミの話題になります。
おもむろにカメラを取り出し、ご自身の撮ったカワセミの写真を自慢気に見せる方もいます。
「ほら、ここに2羽いるんだよ。春先になると鳴き声がうるさいんだよ」
と目を細めて話し掛けてきます。
ソメイヨシノの木の枝にとまっている2羽のカワセミ
2羽のカワセミは番(つがい)で繁殖しているようです。
黒石川沿いの遊歩道。
川の西側は住宅街、東側は田圃畑が広がり、近在の人たちが散歩を楽しんでいます。
カワセミとの遭遇は散歩の楽しみで、「この川には4羽いる」と自信たっぷりに語る女性もいました。
でも「すばしっこくてなかなか撮れないのよ」と口惜し気です。
近隣に住む方たちにとってカワセミはちょっとしたアイドルのようです。
木の枝の中に潜むようにとまっているカワセミ
体長はスズメほどで小さく、川面を滑るように飛びます。
見た目はかわいいのですが、彼らは獰猛な肉食のハンターです。
獲物の小魚を捕まえ、嘴でくわえているカワセミ
木の枝や岸辺にとまり周囲を見回して、小魚やカニ、エビを見つけると水中にダイブして捕まえます。
英名で「Kingfisher」、魚とりの名人ということでしょうか。
街中にカワセミ
このカワセミ、焼津市内では黒石川だけでなく、小石川でも姿を見ることができます。
街を流れる小石川と川面の上を飛ぶカワセミ
分かりづらいかもしれませんが、画面中央右、川面の上の青い点がカワセミです。
小石川のカワセミは、JR焼津駅にほど近い小石川公園、静鉄バスの営業所がある川沿いを飛び回っています。
ここでも付近の人たちはカワセミのことを知っていて、なじみのある存在となっていました。
しかし、このあたりの黒石川や小石川は、決して清流と呼べるほどきれいな川ではありません。
黒石川に流れ着いたプラスチックのカップやレジ袋などのゴミ
黒石川に捨てられた車のバッテリーらしきもの
捨てられたのか流れ着いたのかはわかりませんが、得体のしれないゴミが目につきます。
ここを棲みかとしている生き物たちにとっては気の毒な気がします。
黒石川護岸の金属網にとまっているカワセミ
生きる姿に感動しました
コイや亀、ドジョウにフナ、そしてカワセミだけでなくサギやカモの仲間などここに住んでいる動物たちには、それぞれの縄張りがあります。
互いの縄張りを守るため、睨みを利かせて威嚇しあい、時には戦うこともあるのでしょう。
そうして生きているのです。
カワセミたちは他の場所から渡ってきたのか、
かなり前からここに住み着き、命を繋いできたのかは分かりません。
黒石川護岸の金属網にとまっているカワセミ
身近な環境の中でカワセミをはじめ、多くの生き物たちがたくましく生きている姿を目にすること、それがふだんの何気ない生活に感動をもたらしてくれるようです。

焼津まちかどリポーター
グリーントマト
まもなくリタイア予定の会社員です。生まれは旧大井川町で、学生時代と勤務先の転勤期間を除き、焼津市に住んでいます。今まで経験したことのないものにチャレンジして、セカンドライフを少しでも充実させたい、いつまでも新鮮を持ち続けていたいというが目下の理想です。
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