水産業・魚河岸シャツ発祥の浜通りで代々続くお店
なまり節、つくだ煮などの水産加工品を製造・販売する老舗として知られ、魚河岸シャツの販売も手掛けるぬかや斎藤商店さんに取材に行ってきました。
このぬかや斎藤商店さんの魚河岸シャツ、女性がデザインをしているんです!
女性ならではの細やかな配慮がなされて上質に仕上がっているシャツにはリピーターが大変多く、男女問わず客足が途絶えることがありません。
お店は、JR焼津駅から歩いて約20分の浜通りにあります。
浜通り
浜通りには風情ある伝統的な家屋が今も残っており、歩いていると、ひと昔前にタイムスリップしたような懐かしい感覚になります。
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ぬかや斎藤商店
そんな中に、ぬかや斎藤商店さんは静かにたたずんでいます。
木製の看板と窓格子が素敵な、和の雰囲気溢れるお店です。
奥の工場から漂うつくだ煮の香り
店内に入ると、マスク越しにつくだ煮のいい香りが漂ってきます。
入って少し進んだ右手には、ぬかや特製のなまり節やかつおの「はらも(はらみ)」を燻製にしたものなど、自慢の商品が並べられていました。
食品部門を担当するご主人は17代目。
長く地域から愛されていることがよくわかります。
お店の歴史と魚河岸シャツを扱うようになったきっかけ
水産加工品の老舗でありながら、魚河岸シャツの販売を手掛けるぬかや斎藤商店さん。
階段を上がった2階で、魚河岸シャツを販売されていました。
魚河岸シャツ販売コーナー
足を踏み入れると、目移りしてしまうほどの種類のシャツが!
ご主人の娘の望月さんが魚河岸シャツ部門を担当しています。
望月さん
お店の歴史
お店の歴史を紐解いていくと、なんと江戸時代より昔に遡るのだとか。
廻船問屋(かいせんどんや)と呼ばれる運送業を生業としていたのが、年月とともに商売の形態が変わっていき、その後長い間、鰹節を主とした水産加工品の製造工場として経営を続けられてきたとのこと。
先代からなまり節の製造をはじめ、今のご主人が小売業を始めたそうです!
魚河岸シャツを扱うようになったきっかけ
これはまったくの自然の流れだったそうです。
ご主人が小売業を始める前までは、もともと工場でのなまり節の製造がメイン。
製造したなまり節は少しだけ通信販売をしていたものの、店頭での販売はしていませんでした。
しかし、たびたび買い求めにやってくるお客様がいたので、店頭にショーケースを置いて、そこになまり節などを並べる形で店頭販売を開始。
そのうち、自分たちが夏場に着ていた魚河岸シャツを目にしたお客様の中に「この服、良いね」という人が現れたそう。
お客様が増えるのと同時に、「その魚河岸シャツが欲しい」「どこで売っているの?」と聞かれることも増えたため、木箱に数着並べて販売したのがはじまりだったようです。
その後、色やデザインなどお客様の要望に応えていくうち、扱うシャツの品数も増えていったそうです。
ポーチ・バッグなどの小物も豊富
ぬかや斎藤商店さんの魚河岸シャツの特徴と自慢のシャツ
特徴
初代の型のシャツ
肌ざわりと着心地の良さを第一に考え、生地と縫製の細部にまで妥協を許さずに仕上げられています。
焼津魚河岸シャツ協同組合の定義では「綿100%の手ぬぐい生地または浴衣生地を使うこと」と定められていて、ぬかや斎藤商店さんでは浴衣生地を使用しています。
丈夫さと、生地の透け感が気にならないようにとの配慮からだそうです。
望月さんの、女性目線でのセンスがデザインにも生かされており、毎年、色と柄を少しずつ変えながら、新作のシャツを作っていっているそうです!
「刺子生地のシャツ」
刺子生地のシャツ
高級素材の刺子(さしこ)を使用したシャツも販売されています。
使い込んでいくほどより柔らかく着心地良くなっていき、そして涼しく、丈夫なため長く着られると大変人気があります。
着用と洗濯を300回ほど繰り返したシャツを触らせていただきました。
見た目も驚くほど色あせが少なく、肌ざわりもふんわりとしていました!
「NEST×CHUMS×ぬかやコラボ魚河岸シャツ」
NEST×CHUMS×ぬかやコラボ魚河岸シャツ
2017年より、焼津にある雑貨販売のお店・NEST焼津店で、アウトドアファッションブランド「CHUMS」とコラボした魚河岸シャツが毎年数量限定で販売されています。
このシャツはデザインを「CHUMS」、製造をぬかや斎藤商店さんが手掛けているもので、2021年も第4弾が販売されました。
2021年度に販売されたデザイン
毎年好評で、春先に販売開始すると、すぐに売り切れてしまいます。
また、毎年、販売を開始すると共に地元新聞に取り上げられ、「魚河岸シャツ」の良さが広まることになり、焼津の地域活性化にもつながっています。
※「NEST×CHUMS×ぬかやコラボ魚河岸シャツ」は、ぬかや斎藤商店さんの店頭では販売しておらず、NEST焼津店の店頭・ネットショップのみでの販売となっているそうです。
取材を終えて
望月さんに焼津の好きなところをお聞きすると、「人柄が温かく、人に親身に接する、仁義に厚い人が多い。地元同士のつながりが深いだけでなく、焼津以外から来た人にもとても親切だと思う」と教えてくれました。
焼津の魅力は何よりも人柄だという望月さん。そして望月さんはSNSを活用し、お客様とも積極的にコミュニケーションを取り、要望を取り入れるなどしています。
「先入観にとらわれずに、オリジナル感を常に商品に取り入れていきたい」と話されていました。
時代の移り変わりに柔軟に対応し、お客様に向き合ってきたぬかや斎藤商店さん。お店が長く愛されている理由が分かりました。
ぬかや斎藤商店さんでは、年に2回魚河岸シャツ展を開催しています(4月、6月に開催)。
既存の商品に加え、その年の新作がずらりと並び毎年お客様に大好評です!
2022年も開催予定とのことです。詳細は、ぬかや斎藤商店さんのFacebook、Instagramをご参照の上、店舗に足を運んでみてください。
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ぬかや斎藤商店
〒425-0025 静岡県焼津市城之腰109-1(駐車場有り)
TEL 054-628-4239 FAX 054-628-4299
営業時間 10時半~17時
定休日 日曜・祝日(臨時休業有り。詳細はお電話にてお問い合わせ下さい)
HP https://www.nukaya.jp
通販サイト https://www.yaizunukaya.com
Facebook ぬかや 斎藤商店 – ホーム | Facebook
Instagram https://www.instagram.com/nukayacchi/
関連情報
「うみたび・やまたび」でもぬかや斎藤商店さん、浜通り服部家のリノベーション施設のことが記事になっています。こちらもぜひご参照ください!
浜通りにたたずむ「服部家」を賑わい交流拠点に!服部家の再生ものがたり

焼津まちかどリポーター
しま
焼津育ち、二児の母です。 休みの日は公園巡り、キャンプ、釣りなどして過ごしています。 より多くの方に焼津の魅力を知ってもらえたらなと思います。よろしくお願いいたします。
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