2022.04.15

焼津の企業と複業人材のマッチングプロジェクト開催

 

焼津市は、2021年12月から2022年3月にかけて、自治体主催としては県内初となる、複業人材と地元企業とのマッチング支援事業を実施しました。
「複業人材」とは、複数の仕事や拠点、キャリアといった、柔軟で多様な働き方をしている(希望している)人材のことをいいます。この事業は「焼津の企業経営者×複業人材マッチングプロジェクト」と名付けられ、3つのイベントによって進められてきました。

まず、2021年12月20日には焼津での複業に興味のある首都圏等の複業人材候補者を対象にオンラインセミナーを開催し、「働く、楽しむ、焼津を知る」と題して焼津を紹介することからスタート。つづく2022年1月21日には、焼津市内の企業経営者を対象に「複業人材活用キックオフセミナー」をオンラインで開催。
伊豆の企業の先進事例を学び、地元企業2社の企業課題を例に挙げながら、複業人材の採用と課題解決の具体的なイメージをふくらめるトークセッションが展開されました。

ついに実現!焼津の企業と複業人材が集う「焼津ビジネスマッチング合宿」

そして、いよいよ最終段階として、2022年3月24日~26日に「焼津ビジネスマッチング合宿」が開催されました。この合宿には、地元企業9社と複業人材候補者12名が参加しました。メイン会場は焼津市役所。初日は市内観光と懇親会。2日目には参加企業から自社の課題や複業人材に求めることを発表し、複業人材候補者からは活発に質問がされていました。多くの地元企業が挙げた課題は、デジタルマーケティングや企業ブランディングの強化、人材採用や社員教育、人事評価などのしくみづくりです。これまでの自社の取り組みを整理しながら、新しい体制を最速で構築するために、専門的知見をもつ外部人材の応援を求めているのです。

焼津市役所で開催された、企業の課題と人材要件の発表風景

マッチングに大切なのは、スキルよりも相性

懇親会は、複業人材の宿泊先となったかんぽの宿で夕食の時間に行われました。コロナ対策にも細心の注意を払う中で、皆さんが期待のおいしい海の幸を味わっていただけたことはもちろんですが、それ以上に、企業関係者との個別の交流が盛り上がっていた光景が、マッチングの可能性を感じさせました。

仕掛け人の森田創さんは、「企業の課題解決に貢献できる人材とのマッチングは、スキル以上に相性が大事。オンラインも活用しながら限られた時間の中でやりとりをしていくことになるので、離れていても1言えば3を理解してくれるような信頼感でつながれるかどうか。合宿企画にしたのは、そういう相性を確認しあうことが目的。」と語ります。

かんぽの宿で開催された懇親会の風景

最終日は複業人材から企業への課題解決プレゼンがなされました。複業人材の皆さんは、30分程度の短い時間でしたが、企業と1対1で向き合える貴重な時間を最大限に活かそうと、課題解決にどのような貢献ができるのかをスライドや資料を使って熱心にアピールしました。今後は双方の意向が重なり次第、1~2か月程度の複業の試雇を経て、正式契約を締結するということです。

初めて開催されたビジネスマッチング合宿。この取り組みを通じて、コロナ禍による新たな働き方の浸透や、都市部からの人流をつくり、関係人口の創出や外部人材活用で焼津市の産業が活性化することに期待が集まります。「焼津は魅力的なまち。おいしいものを味わいながら、新しい自分の可能性を見つける人が集まる場所になっていくだろうし、すでにその流れができつつある」と森田さん。複業人材によって、焼津に新しい文化が生まれると思うと、とても楽しみですよね。

●あわせて読みたい!まちリポ記事
焼津に「副業」ならぬ「複業」を広める仕掛け人、森田さんに学ぼう
https://yaizulife.jp/news/10692/

 

まちかどリポーター:Da Bing
この記事を書いた人
焼津まちかどリポーター 
Da Bing

中国出身。留学を機に静岡市へ。大学院で文化人類学を専攻。海が好きで焼津市に勤務。この町の魅力を県内、県外、さらに海外まで、もっと多くの人に知ってもらいたく、まちリポに参加。 宜しくお願い致します。
記事一覧へ >