2022.04.15

焼津に「副業」ならぬ「複業」を広める仕掛け人、森田さんに学ぼう

「副業」という言葉は最近よく耳にしますが、「複業」という言葉があることを御存知でしょうか?教えてくれたのは、合同会社うさぎ企画 代表社員の森田 創(もりた・そう)さんです。どちらも読み方は同じ「ふくぎょう」ですが、「副業」が本業の傍らに行うサイドビジネスを指すのに対し、「複業」はメインとサブの序列を付けず、どれも本業としてマルチに仕事に取り組む考え方を示しています。「複業」の提唱者である森田さんをオンラインで取材しました。

オンライン取材の様子(右側が森田さん)

コロナ禍で進んだテレワーク。今こそ、社会全体で働き方を見直すとき

「副業」を認めている企業は、首都圏では珍しくありません。長引くコロナ禍でテレワークをする人が増えました。通勤に費やしていた時間を有効活用したり、人脈や視野を広げながら新たな挑戦をしたりする社員を支援することは、大手企業にとってはごく自然な流れ。終身雇用は現実的に難しくなってきており、人生100年時代の新しい雇用への切り替えが必要になっているからだそうです。

森田さんが勤務していた東急株式会社には、社内ベンチャー制度や副業制度がありました。フィルムコミッション事業やミュージカル劇場の開業を成功させたり、MaaSプロデューサーや作家としても活躍されていた森田さん。「得意なことを活かして地域や他の企業に貢献したい人と、そうした人材のチカラを借りて課題を解決したい企業や行政のマッチングをサポートしたい」という想いが高まり、仲間たちと合同会社うさぎ企画を立ち上げました。現在は代表社員として地方創生事業に忙しい日々を送っています。

伊豆の複業人材マッチング合宿を機に生まれた焼津とのご縁

三島在住の森田さん。「三島をはじめ、静岡県東部地区は東京への通勤者が多いエリア。ここに様々なスキルをもった複業希望者が集まっている。まずはこの東部地区で複業人材のマッチング成功事例をつくり、モデル地区にしたい」。そんな目標を胸に、森田さんは2021年6月と10月に伊豆での「ビジネスマッチング合宿」を開催し、大成功を収めました。その成功事例が評判を呼び、焼津市とのご縁ができ、焼津でも複業人材マッチング支援事業を手掛けることになりました。

伊豆でのビジネスマッチング合宿の様子(2021年6月25日@下田市)

12月20日のオンラインセミナーを主催をしている様子です。(プレイボールカフェ屋上にて)

おいしい魚とお酒!オールドアンドニューが共存する焼津は魅力ある町

森田さんに焼津の印象を伺ったところ、「まず、食べ物がうまいのが魅力。お酒もおいしい。そして、焼津のコミュニティは若い人たちが頑張っている。1500年の歴史があるまちなのに、若いプレイヤーが積極的に新しい取り組みにチャレンジし、それを応援する地域の人たちがいる。水産加工業をはじめとした伝統的な産業と新たな取り組みが融合し、「オールドアンドニュー」が共存しているところがおもしろい。」とのことでした。焼津のまちに多くの複業人材が行き交うようになれば、さらにおもしろい取り組みが始まりそうです。

取材を終えて

長寿国の日本で労働人口が減少していく中、企業は雇用形態を変えていかなければならず、複業人口が増えることは時代の趨勢(すうせい)と言えます。森田さんが提唱している「複業」という考え方は、地方都市の企業の人材不足と働き手の就労ニーズの両方を一度に解決することができる画期的なアイデアだと感じました。元気な会社が多い町は、活気がある地域となり、多くの人も集まるのだと思います。私も焼津の企業で働くひとりとして、森田さんのお話にとても関心を持ちました。時代に応じた働き方と、町の未来を前向きに考えるために、「まちづくり」と「しごと」を一緒に考えてみませんか?

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焼津の企業と複業人材のマッチングプロジェクト開催
https://yaizulife.jp/news/10685/

 

まちかどリポーター:Da Bing
この記事を書いた人
焼津まちかどリポーター 
Da Bing

中国出身。留学を機に静岡市へ。大学院で文化人類学を専攻。海が好きで焼津市に勤務。この町の魅力を県内、県外、さらに海外まで、もっと多くの人に知ってもらいたく、まちリポに参加。 宜しくお願い致します。
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