「もう、どうしたらいいんだ〜(泣)」
子どもが0歳の頃、保育園探しや子どもとの生活の悩みが次々に生まれて途方に暮れていました。
そんな時に焼津市発行の子育て冊子で見つけたのが「子育てコンシェルジュ」の文字。
これがきっかけでドキドキしながら子育て支援センターの門を叩きました。
優しく出迎えてくれるスタッフの方々。相談したいと伝えると、「赤ちゃんは見てますよ」とスタッフさんが預かってくれ、「子育てコンシェルジュ」が現状を丁寧に聴いてくださいました。
一緒に考えていただいたおかげで状況が整理され、自分では思いつかない選択肢も見つかり、「なんとかなりそうだ」と思えた・・・!これが子育てコンシェルジュさんとの出会いでした。
その後も子育て支援センターに遊びに行く度に子どもの名前を呼びながら、優しく声を掛けてくださいました。些細な心配事も話せること、知識を携えて一緒に考えてくれる方がいることがどんなに心強かったでしょう。
この経験に感動した私は子育てコンシェルジュのことをもっと知りたくなり、思い切ってお話を聞いてみました!
焼津市の「子育てコンシェルジュ」とは?
妊娠している方や0歳から18歳までの子どもに関わる方なら誰でも相談できる窓口が「子育てコンシェルジュ」です。
「発育が心配」「生活リズムはこれでいいのだろうか?」「保育園どうしよう」「幼稚園どうやって選んだらいいの?」「学校に馴染めないようだ…」など、子育てには年齢によって様々な悩みや心配が生じます。こうした幅広い不安や困りごとを丁寧に聴き、保護者に寄り添って解決・不安解消の手助けをしたり、情報提供をしたり、時には専門機関につなげたりしてくれるのです。
焼津市では幼稚園、保育園、相談機関等で長年経験がある方が、静岡県が主催する子育て支援員の講座を受講してから「子育てコンシェルジュ」に就任され、現在3つの拠点で5名が活動中です。
今回お話ししてくださったのは、平成28年のスタート期から子育てサポートルーム(ウェルシップ内)の「子育てコンシェルジュ」として活動されている大畑涼子さん。冒頭、私が困った時に最初に相談に乗ってくださったのが大畑さんでした。
日々様々な子ども、保護者と関わっていらっしゃる大畑さんに、どんなことを意識しているのか伺ってみました。
子育てコンシェルジュ 大畑涼子さん
寄り添い、答えを示さずに、選択肢を示す
大畑さん「子ども、家庭、それぞれに状態が違うから、答えを押し付けず、とにかくたくさんお話をすることを大切にしています。保護者の方のお話を聴き、子どもの様子を見て、子どものことを一緒にわかろうとする。何度も同じような話をしてお互いにわかることがあるんです。「一緒に考えていこうね」というスタンスで、答えを示さずにいくつか選択肢を示して、保護者自身にチョイスしてもらうということを大切にしています。」
−確かに、誰かに言われたことは良いと頭でわかっていてもなかなかできないけど、自分で理解して自分たちに合った選択をすると、行動に移しやすいですよね。
大畑さん「そうですね。私たちは環境を整えるお手伝いをするだけ。保護者に道が見えたら、あとはいろんな選択肢(方法)を試して、試して、試してもらう・・・。「この子のタイプってどんなだろう?」を考えるお手伝いをして、合う方法を探る応援をするんですね。」
−一緒に子どもの話をたくさんして、色々と試してみるというプロセスには子どものありのままを受け止め、寄り添うという姿勢が現れているように感じます。そして保護者が落ち着いて子どもに寄り添うことができるよう、保護者自身にも寄り添うのが子育てコンシェルジュなんですね。
大畑さん「保護者の方が「うちの子は発育のバランスが良くないな」と気づいて相談に来るケースもあります。そんな時は、よく子どもの様子を見て、必要な場合には我が子をより知ってもらうために、専門家の心理相談に繋ぐこともあります。
その後しばらくして大変な時期を乗り切った子達を見ると、ずいぶん(状況が良い方向に)変わっていて、保護者の方が「あの時、関わり方がわかってよかった」と言うことがよくあります。子どもにとって、できないことを指摘されたり怒られたりするのはただのストレスで、伸びるべきところが伸びなくなってしまう。だから日々の大人の関わり方って本当に大事だなと思います。」
子育ての”いろいろ”、話せていますか?
−特に初めての子育てだと不安も大きいと思いますが、そんな保護者の方々に伝えたいことはありますか?
大畑さん「赤ちゃんが生まれてから生活が一変するでしょう?ちょっとした悩みも育児真っ最中の時には大きな問題になるからこそ、小さなことでも一人で抱え込まないで話しに来てほしいと思っています。」
−よくわかります。子どもとの一日はあっという間で、気がつくと何日も人と話をしていないこともありますよね。発育で気になることをネットで調べて、余計に不安になったり(笑)。私も家で子どもと一対一だと世界が狭くなり不安が大きくなる感覚がありました。
大畑さん「そうですよね。子どもが1歳なら保護者も1年生で、育児に不安があるのは当然ですよ。ましてや今は情報過多の時代。でもどんな状況でも子どもたち一人ひとりが健やかに育ってほしいと願っています。そのためにもちょっと勇気を出して、近くの子育て支援センターに出向いて些細なことでもスタッフと話をしてほしいです。」
−時間内であれば予約もなしで思い立った時に気軽に行けて、相談もできるのは子育て支援センターと子育てコンシェルジュの良いところですよね。
おままごとをする子どもたちの様子を見て保護者と微笑ましく話す
読者へのメッセージ
−それでは、最後に、読者の方に伝えたいことはありますか?
大畑さん「子育て支援センターは、月齢の発達に合わせた様々なおもちゃを用意しています。公園で走り回れば身体は動かせますが、時にはセンターに遊びに来て、手先を使った遊びの面白さや集中する楽しさに気づく場になったらと思います。
また、毎日同じ時間に同じ子ども達が集まるわけではないという気軽さもあります。偶然一緒になった他の子と自然と遊ぶこともあれば、一緒にお歌を歌う時間もあります。そのため、無理のない範囲で通っていただければ、集団(保育園や幼稚園)に入る前のトレーニングができるのも良いところだと思います。
初めての場所に行くことはドキドキすると思うけど、気が向いた時やイベントの時、身長体重計測をきっかけになど、気軽に利用してほしいです。同じ場所に何回か通うと子どもも安心して落ち着いて遊べるようになってきますよ。
お父さんや祖父母の方の利用も増えています。ママの息抜きタイムの間、子どもとの居場所としても、ぜひ利用してほしいですね。」
壁には市内の保育園、幼稚園の情報がたくさん。おむつ替え、授乳のスペースもあり安心。
「子育てコンシェルジュ」はここにいます!
市内3ヶ所に子育てコンシェルジュがいます!1人で悩みそうな時はぜひ思い出して、子育てコンシェルジュさんに話してみてください。
焼津市総合福祉会館(ウェルシップやいづ)2階子育てサポートルーム
住所:焼津市大覚寺3丁目2番地の2
相談日:月曜日~土曜日(祝日・年末年始はお休み)
相談時間:午前9時~午後0時、午後1時~4時
電話番号:054-627-3388、FAX番号:054-620-3339
焼津市大井川地域子育て支援センターとまとぴあ
住所:焼津市宗高1205ー1
相談日:火曜日~土曜日(祝日・年末年始はお休み)
相談時間:午前9時~午後0時、午後1時~4時
電話番号:054-662-2300、FAX番号:054-662-1100
焼津市親子ふれあい広場
住所:焼津市本町5ー6ー1(焼津市役所アトレ庁舎1階)
相談日:水~金曜日、日曜日・月曜日(祝日・年末年始はお休み)
相談時間:午前9時~午後0時、午後1時~4時
電話番号:054-626-3388、FAX番号:054-626-3388
※相談時間は状況に応じて変更する場合があります。予約優先ですが、予約なしでもお気軽にお声がけください。
編集後記
今回取材をして、徹底して子どもと保護者に寄り添う姿勢の根底にある思いや考えに触れることができ感動が増しました。さらに、5名のコンシェルジュは月に1度の定例会で、最新の育児情報や市内の子育て関連情報を共有し、利用者の方に発信する情報を統一しているそうです。例えば、最新の離乳食事情は管理栄養士に確認したり、各月で保育・幼稚園課と情報交換会を実施したり、年に1回は市内の各園を訪問しているとのこと。こんなに頼りになる方々が身近な施設にいるのは本当に有難いことで、今後も感謝して利用していきたいです。 また、一人で悩んでいる方には思い切って相談に出向いていただきたいのはもちろんのこと、身近に子育て中の方がいたらぜひ話題に挙げていただけたらと思います。誰にも言えず抱え込んでいる方が一人でも多く「子育てコンシェルジュ」につながりますように。
関連リンク
利用の詳細はこちら 焼津市公式HP「子育てコンシェルジュとは?」

焼津まちかどリポーター
michino
焼津市出身・在住。学生時代から地域のレジリエンス(回復力、折れない力)を育てる活動をする「静岡2.0」を運営し、2014年から市内で誰でも参加できる対話の場を開いてきた。人に出会い知るたびに焼津を好きになってきた体験をもとに、焼津の人たちの営みをもっと知り、魅力を伝えたいと思い、まちリポに参加。現在は焼津市市民活動交流センター「くるさ〜」の相談員を務める。1児の子育て中。
記事一覧へ >