2017.03.23

国の重要無形民俗文化財「藤守の田遊び」

開催:毎年 3月17日
藤守の田遊びとは、毎年3月17日に大井八幡宮で行われるお祭りで、千年以上前から行われていたと言われています。 昭和52年には国の重要無形民俗文化財に登録されました。一体どんなお祭りなのか、ご紹介します。

藤守の田遊びとは、毎年3月17日に大井八幡宮で行われるお祭りで、千年以上前から行われていたと言われています。昭和52年には国の重要無形民俗文化財に登録されました。
一体どんなお祭りなのか、ご紹介します。

藤守の田遊びの歴史

藤守の田遊びとは、焼津市藤守にある大井八幡宮の行事です。
田遊びとは田楽とも呼ばれる伝統芸能で、田植えから収穫までの流れを舞で表現し、その年の豊作を祈ることが主な目的です。
藤守の田遊びは豊作に加え、大井川の治水についても祈願しています。

もともと大井八幡宮は、平安時代初期、大井川の水に感謝するとともに、大井川の水害を恐れ、水霊そのものを川除け神としてまつる目的で建立されました。
そのときに奉納された「田遊び」が、藤守の田遊びの発端と言われています。

その後、1570年ころに現在の形を確立したと言われており、いまも昔の形式を残しているのが特徴です。
昔は旧暦の1月17日が祈年祭でしたが、明治42年からは2月17日に、昭和36年からは3月17日に行われています。
昭和52年には国の重要無形民俗文化財として指定されました。

藤守の田遊びの内容

藤守の田遊びは毎年3月17日、午後6時から10時過ぎまで行われます。(年によっては11時頃までやるようです)
演じるのは氏子中の未婚の青年たちで、平成28年はおよそ25人が出演しました。

藤守の田遊びは農作業の過程をなぞった25番組と、番外2番で構成されています。
中でも最重要とされる演舞は第2番の振取で、御獅子(牛)を祭神の身代わりと考え、祭神を内陣より迎え奉ります。

最も盛り上がるのは終盤、第20番の間田楽から第21番の猿田楽です。
氏子8人が「万燈火」と呼ばれる紅白の花飾りを頭につけ、猿田楽では勇ましく舞い跳ねます。
観衆たちはその優雅で幻想的な姿に魅了されること間違いなしです。

実際に藤守の田遊びが行われている様子をご覧ください。


藤守の田遊びの特徴

こうした田遊びは全国各地でも行われていますが、大井八幡宮の藤守の田遊びは稲づくりの過程がほぼ完全に表現されていて、原形を正しく受け継いでいるとされています。
青年が顔に化粧をして女装する祭事という点も珍しく、華やかな装飾品でも注目を集めています。

静岡県内で重要無形民俗文化財に指定されたのは、浜松市天竜区の「西浦の田楽」に続いて藤守の田遊びが2件目でした。
平成29年3月現在、静岡県内で指定されているのはわずかに9件、全国的にも303件です。
そのうちの1件が焼津市にあるのは誇らしいですね。

昔ながらの「藤守の田遊び」、一度観に行ってみてはいかがでしょうか?

DATA
大井八幡宮
住所〒421-0203 静岡県焼津市藤守687
URLhttps://goo.gl/maps/97LZP25oPT42