2017.11.13

宇宙へのロマンと、科学の心を大切にする場所で。

学術研究、専門・技術サービス業
ディスカバリーパーク焼津天文科学館
技師

牧野 光男さん

Uターン
20代
静岡県焼津市
= Profile =
1989年生まれ。静岡県焼津市出身。三重大学生物資源学部に進学し、大学院時代まで農業機械を専門に学ぶ。その後、京都のコンサルティング会社に入社するも、想像していた仕事内容とのギャップから転職を決意。偶然、幼少期から親しんでいたディスカバリーパーク焼津天文科学館の職員募集を見つけ、応募。今年入社3年目。現在は特別展の企画・製作や実験ショー、科学教室等を担当している。

まさに”灯台下暗し”な仕事

 私は焼津生まれで、小学校から高校までは焼津や藤枝の学校に通っていました。でも、「外へ出て、いろんなものを見てみたい」という漠然とした気持ちがあったので、受験した大学はすべて県外の大学でした。

 進学したのは、環境先進大学でもある三重大学。私はそこの生物資源学部に所属していました。生物資源学部は農学部と水産学部が統合してできた学部で、自然や環境分野などについて学ぶことができます。私が小学生・中学生の頃というと、学校でもテレビでも地球温暖化などの環境問題が話題になっていて、自ずと私自身も環境問題に目を向けるようになっていました。大学時代は農作業者を支援するロボットシステムの開発を研究していました。

 焼津に戻ってきたのは、25歳の頃。大学院を卒業したあと、京都のコンサルティング会社でSEをしていました。ただ、半年も経たないうちに辞めてしまいました。自分が想像していた仕事と違ったこともあるかもしれません。その後、地元の焼津に戻ってしばらくした頃に、たまたま姉がディスカバリーパーク焼津天文科学館の職員募集を見つけて、教えてくれたんです。「小学生の頃に、よく遊びに行っていたけど、実際にどんな仕事があるんだろう?面白そうだな」、始めはそんな感覚でした。
焼津が誇る職場は手仕事から生まれる
 私は今、ディスカバリーパーク焼津天文科学館の展示物に関わる企画や製作を行っています。組織は大きく分けて業務課と事業課の2つがありまして、私が所属する事業課はさらに天文担当と展示担当の2つに分かれます。

 天文担当は天文台とプラネタリウムの運用が主な仕事になりますが、こちらはもともと当館が建てられた経緯とも関係します。焼津には望遠鏡作りの名人の法月惣次郎さんという方がいらっしゃって、ここには法月さんが最後に製作した静岡県で最も大きな天体望遠鏡があるんです。見晴らしもよく、大型望遠鏡だからこそ、昼間でも天気がよければ星が見えます。土日の夜に行われる星空観望会では、その季節に見える星を紹介しています。

 一方で、展示担当の私が携わっているのは展示 ・体験室の特別展です。平成29年の秋は、「モグディと謎の洞くつ探検」と題した体験展示を企画しました。お客様自身が冒険の主人公になって、科学展示を体験し、謎解きをしながら洞くつの奥へと進んでいく企画で、ストーリーや展示物、装飾もすべて自分たちの手作りです。1年くらい前から構想を練って形作っていく過程は試行錯誤の連続で大変ですが、自由に企画を考えさせてもらえる環境ならではの面白さ、やりがいを感じます。

適度にゆるく、活気も忘れず

 私には地元の焼津の他に、三重時代や京都時代がありますが、やっぱり、地元は過ごしやすいですね。大学時代も、「あ、この子たち、話しやすいな」と思っていたら、出身が静岡だったということもよくありました。どんな人といると落ち着くかは人それぞれだと思うんですけど、私にとって焼津や静岡の自由であたたかい気風はあっているのかもしれません。

 そういう意味では仕事をしていても、ディスカバリーパーク焼津天文科学館は、若手でも自由に企画を任せてもらえる風土があり、先輩方もあたたかくサポートしてくださります。もちろん自由だからこその大変さもありますが、枠に囚われないアイデアも歓迎してくれるところは、焼津や静岡の気風が持つ落ち着くポイントとも似ているなと感じます。

 休日は喫茶店で本を読んでいることが多いです。あとは三重県から友達が来たときは、「岡むらいきち」という居酒屋さんに連れていきます。JR焼津駅に隣接する形なんですけど、一風変わっていて、看板がないんです。ぱっと見、入口がわからず、店内に入ると、魚河岸シャツをきた店員さんたちが迎えてくれます。活気づいているので元気をもらいますね。まだ職場には恥ずかしくて友達を連れてきていませんが、「いいとこだよ」っていつか案内したいですね(笑)。

牧野 光男さんがオススメする焼津のイイトコ

「港町岡むらいきち」
牧野さんオススメは、JR焼津駅南口から徒歩20歩(!)という近さを誇る「港町 岡むらいきち」。看板のない不思議な建物に一歩入ると、そこには魚河岸シャツを着た店員さん、焼津ならではの美味しい魚、地酒…とまさに焼津尽くし。牧野さんオススメメニューは「ジュルジュルファイブ」(定休日 日曜日)。
« 前の記事 山本 隼一 2017.10.24