「わだ丼」

わだ丼開発プロジェクトとは?
食を通じ歴史豊かな和田の魅力を掘り起こし、次世代に引き継ごうと試んでいるのが、わだ丼開発プロジェクトです。「先人の話を聞こう」「歴史を食べ歩きしよう」「和田の食を考えよう」の3つを大きな柱として、ひとつのどんぶりに地域の魅力を盛り込んでいます。
地域の歴史愛好家に実際に話を伺い、戦中戦後に和田でよく食べられていたものについて教えてもらう。和田にゆかりある素材を使って、歴史を振り返りながらどんぶりに表現。そうして完成した丼を通し、「和田の地を改めて知ってもらうきっかけになったら」という想いで作っているのだそうです。
わだ丼ってどんなもの?
和田の地を掘り起こして発見される、面白さやおいしさを惜しみなく発信しているわだ丼。試作では、戦中に食べられていたという「すいとん」を振る舞いました。地元産のネギや大根、にんじんなどの野菜、いわしのつみれ、糯米のお団子を入れ、現代風に仕上げたそう。
第1号は、星・海・花をテーマにどんぶりを作成しました。和田浜から望むことのできる美しい富士山をタマゴとそぼろで表現。桜の名所として有名な木屋川桜の花形と、和田地区から世界的望遠鏡製作者が輩出されたことにちなんで、星形のかまぼこも飾り付けました。

これらは、一人住まいの年配者を支援する「あじさいの会」のボランティアスタッフや、自治会や地域の人々によって提供され、いまや整理券が30分で捌けてしまうほど親しまれているそうです。
わだ丼で伝えたいもの
歴史の授業で誰しもが教わった、戦国大名・徳川家康。人生のうち3分の1を静岡の地で過ごしたことによって、多くの県民に慕われています。
そんな家康ですが、負け戦で和田の人々に助けてもらったことがあるんです。住民のあたたかな気質、人情に触れ感動したという家康は以後、和田をこの上なく大切にしたのだとか。
その際に彼を驚かせた、質素ではあるけれど気持ちのこもったご馳走とおもてなしの心を、発展させた形でわだ丼を開発しました。あたたかみある和田の性格と食材を使い、地域の住民に親しんでもらうこと、また絆を深めることを目的としているこのどんぶり。
これまでの歴史の中で培ってきた地元の良さはそのままに、今後も地域振興の起爆剤として進化していくそうです。
昔から和田地区に住む人達やこれから和田地区に住む人達、そんな彼らにわだ丼を通じて和田地区の歴史や魅力を改めて伝えていきたいですね。