焼津の「味噌まんじゅう」
焼津では漁師のおやつとして、腐りにくいしょっぱい味付けのお饅頭が伝統的に作られてきました。焼津市内の和菓子店10店舗で「焼津みそまん学会」なる活動もしているとか。
今回は「焼津の御菓子」について調べてみようと、みそまん学会の一員でもある、昭和7年創業の老舗のお菓子屋、「株式会社かしはる」さんにお話を聞いてきました。
静岡を代表するモノをモチーフに
「富士山」や「お茶」・・・。「静岡といえば」を考えたときに、ここで挙げたような単純にイメージされるモノと、少し掘り起こしたうえで思い浮かぶモノとの2種類があるかと思います。そのなかでもかしはるは、多くの人のあいだで共通認識としてある、前者のようなイメージをもとに商品を作っているのだそう。
焼津市民に限らず、静岡県民にとって「富士山」や「お茶」は想像がつきやすく、愛着もありますよね。それは、他県民にとってもそう違わないでしょう。人と人との認識のあいだに深い溝がないものを素材にしているからこそ、かしはるのお菓子はたくさんの人に愛され、県内外へのお土産として選ばれ続けているのだと思います。

たとえばこちら、お茶を使った緑色の生地が富士の裾野に。しなやかなバタースポンジを山頂に降り積もる雪に見立てた、まさに静岡県らしいお菓子「ふじやん」。
しかし、ただのパウンドケーキと侮ってはいけません。生地に練りこまれているのは静岡産のお茶で、濃く深い味わいと豊かな香りが特徴なんです。
また、駿河路特産の最上段の一番茶だけを使った、贅沢な緑茶羊羹も人気商品のひとつですよ。
静岡に根差したお菓子屋さんを目指す
「せっかく静岡にあるのだから、その意味があることをしよう」という想いで、地域に根差したお仕事をされてきたかしはる。たとえば、防災羊羹もそのひとつです。
近年、度重なる大きな地震の発生により全国で防災意識が向上しています。そして静岡県もまた例外ではありません。「いつか来る」と言われ続ける東海地震に備え、かしはるの防災羊羹を常備しておく方も多いそうです。

今回お話しを聞かせてくださった代表取締役社長の法月さんは、「今は色々と防災用の甘味が出ていますが、かしはるの防災羊羹もまた選択肢のひとつであれたら。いざというときに心強い存在になるはずです」と語ってくださいました。
焼津市を拠点とし、静岡県と県民だけにこだわるのではなく、そこに暮らす人や訪れる人の意識・認識に馴染むことをも心がける株式会社かしはる。創業から85年たった今でもたくさんの人に愛されているのは、変わらぬおいしさを提供するだけでなく、世が求めていることへ常にアンテナを張っているためだったんです。
また、かしはるでは季節ごとに合わせた創作菓子が新登場しますので、まだかしはるのお菓子を食べたことのない方も良く知る方も、ぜひこまめにチェックしてみてくださいね。
住所 | 〒425-0073 静岡県焼津市小柳津515-3 |
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TEL | 054-628-1100 |
URL | http://www.kashiharu.com/ |