焼津市柳新屋に拠点を構える、100年以上の歴史を持つ老舗中の老舗企業をご存知でしょうか。
その名も、「株式会社赤阪鐵工所」さんです。
赤阪鐵工所は、明治43年(1910年)に創業した老舗船舶用エンジンメーカー。長い歳月の中で培ってきた技術を用いて、船舶用の大型エンジンを製造・販売しています。そんな歴史ある企業でありながら、敏感に時代へのアンテナを立てることを怠らず、現在は環境対応型エンジンの開発を目指しているのだそう。
ひとくちに船舶と言ってもさまざまな種類がありますが、赤阪鐵工所で扱っているのは主に貨物船やタンカーに搭載するためのエンジン。わたしたちの周りに溢れているあらゆる輸出入貨物は、いまだ99%が船で運ばれているため、その動力となるエンジンは「暮らしの一端を担っている!」といっても過言ではありませんね。
今回はそんな株式会社赤阪鐵工所で実際に働く方に、そのお仕事内容とやりがいについて伺ってきました。
赤阪鐵工所ってどんな会社?
赤阪鐵工所には、エンジンそのものを製造する製造工やエンジンの設計開発に携わる技術職、エンジンそのものや部品の販売を行なう営業職、そしてその他の間接部門など。製造以外の部分に携わる仕事も合わせると様々な職種があります。
製造工のなかにも、現場でいちから部品のもとになる素材の製造を行う鋳造工、できたものを加工する機械工、組み立て・運転をする組立工などさまざまな働き方があるのだそう。これだけの職種があるので「何らかの形でモノづくりに関わりたい」という人にとっては、それまで勉強してきた自分の力を活かすことも、新たな技術を習得することもできる、可能性に溢れた場所だと思います。
また、「大型船舶のエンジン造り」と聞いて、力強く豪快な印象を持っていた私。しかし、「決して、船主や乗組員に迷惑をかけるような機械をつくってはならない。」という、創業者の口癖を脈々と受け継ぎながら、高い品質にこだわり続けていると聞いて、その丁寧な仕事ぶりをうかがい知りました。
赤阪鐵工所の職場の雰囲気
赤阪鐵工所ではなんと年に一回、バーベキュー大会を開催しています。うらやましい・・・。
また、社内ではいくつものクラブ活動が運営されているのだとか。テニス部やソフト部、書道部など働きながら自分の趣味の時間を充実させることが可能なんです。それらの活動内で他部署の方と話す機会があるため、職場自体にもアットホームな雰囲気が漂います。
大きな企業ともなると「部署が違えばもはや誰が誰だかわからず他人のよう」、というのが当たり前なのかと思いこんでいましたが、そんなことはないんですね。もともとモノづくりには興味のあったわたしですが、活発かつ人情味ある企業と聞いてより魅力的に感じました。
人を重んじるねんごろな企業
「顧客第一主義」を創業以来、一番のモットーとして掲げ続けている赤阪鐵工所。
100年という長い年月存続し頼られてきたというのは、「お客さんに喜んでもらえる製品を作ることに対し妥協するつもりはない」という強い意志があったからなのかもしれません。また、企業の根本は人だと考える赤阪鐵工所だからこそ、人を大切にし、そして人に大切にされる企業となり得ているのだなあと。
取材の最後の質問として今後の展望を伺った際にも、「地域への貢献を誓い、人々の生活を支えていけるような存在でありたい」と聞かせてくださり、どこまでも人を想う姿勢にグッときました。大型船舶のエンジン造りというパワフルなお仕事と、そんな会社全体がまとう温かさのギャップが魅力的な企業です。