私は地元の高校を卒業し、太田裕美の“木綿のハンカチーフ”の歌のように、東へと向かう列車に乗って焼津を旅立った。
しかし、残念ながらハンカチーフを送る相手もいなかったので、思い出すのは故郷の景色ばかりだった。
藁ぶき屋根の実家と車が通る度に埃まみれになる吉永街道。そして、乙女ヶ丘や石津の海岸から眺めた富士山。旅先でよく「お兄さん、どちらの出身?」と聞かれて「静岡です」というと、大方の返答が「富士山を毎日見られていいとこだね。羨ましいね」だった。
焼津市観光協会で“おもてなしスタッフ”をしていた時も、“石津浜の堤防から見た富士山が一番良かった”とのアンケート回答をたくさん頂いた。特に、富士山を眺めながらゆっくりレンタサイクルを楽しまれた方の感動が大きかったようだ。
富士山はどこから見てもそれぞれの趣があるが、石津浜の波打ち際から見上げる富士は、三国一の美人である。
思い起こせば、子供の頃の夏休みは海水パンツ一丁で、一日中富士山を見ながら波打ち際で戯れていた。
真っ青な夏空のもとに船が行きかい、入道雲がもくもくと立ち上がる。そして夕刻には富士山が朱く染まり、刻々と変化していく様はまるで一編のワイドスクリーンの映画を観ているようだった。ゆっくり流れていく刻にやさしく抱かれていたそんな少年時代だった。
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そして古希を過ぎた今も、綺麗に整備された“石津海岸公園”周辺を散策しながら、駿河湾上に富士山を仰ぎ、今日も元気でこの場所に来られたことを感謝する日々です。
コロナ禍でうつうつとした日々をお過ごしの皆様、マスク着用で三密を避けて、なるべく少人数でお越しくださいませ。
尚、JR焼津駅南口にある焼津市観光協会でレンタサイクル《電動自転車もあります》が借りられます。
☛ 問合せ先:レンタサイクル・観光施設・店舗等の営業情報 は焼津市観光協会
℡ 054-626-6266 又はHP 『http://www.yaizu.gr.jp/』でご確認下さい。
☛ バス:JR焼津駅南口で〈一色和田浜線和田浜まわり〉に乗 車して約15分、「水天宮前」下車徒歩約5分です。
☛ 車で行かれる方には駐車場が3ヶ所あります。
①小川港の南側道路を道なりに走行して最奥。県立青少年の家艇庫前
②水天宮前を海に向かって走行し、県立青少年の家とサッカー場の間周辺とサッカー場北側から入って突き当りの堤防下
③ 焼津フットサル倶楽部グランドの横の信号を海に向かって走行し、最奥突き当り堤防前(トイレ有)
※足のご不自由な方には、介添人がいれば車椅子でも登れるスロープやトイレがある③の駐車場がお勧めです。
※公園内に綺麗なトイレもありますのでご婦人方も安心してお越しください。
お帰りには「うみえ~る焼津」他にて“黒はんぺん“などの焼津の美味しいお土産もお忘れなく。

焼津まちかどリポーター
すこやか宮さん
静岡県焼津市生まれ。大学を卒業後、デモンストレーターの仕事で日本全国を廻りながら「旅日記」を綴っていた。友人たちからは「フーテンの宮さん」と呼ばれている。好奇心旺盛で様々なことにチャレンジすることを楽しんでおり、公益財団法人しずおか健康長寿財団の特派員としても活動中。
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