「ただいま」
「おかえり」
こんな何気ない些細な言葉を交わせる事の幸せを、その家族がいなくなるまでは気づきにくいものです。
たとえ夫婦・親子であろうと、出会いがあれば必ず別れがある、それが人の常。
でもそれは又、新たな出会いとの始まりの時なのです。
コロナ禍で友達の処に行くのもはばかられる昨今。
それならいっその事、一緒に住んだらどうだろうか!
実はコロナ禍になる前から、焼津市には「COCO下小田(ここしもおだ)」というシニアを中心とした多世代型シェアハウスがありました。そう、みんなで“時間と居場所と人生”をシェアし合って、愉しく暮らす生き方を提案する共同住宅です。
「COCO下小田」は、焼津市のほぼド真ん中、市立総合病院や警察署、ショッピングセンター、コンビニや薬局等も近在し、また、焼津市の防災拠点のひとつである石津西公園(愛称・みなく~る)にも近く、とても恵まれた場所にあります。建物は、鉄骨造の2階建てバリアフリー住宅。全 16 居室。1階には、厨房・リビング兼食堂・浴室・洗濯場等の日常生活フロアとイベントフロア。現在、70歳代~80歳代の7名(男性1名・女性6名)の入居者があり、それぞれの人生を謳歌されています。
特に「COCO下小田」の特徴は、ほぼ毎日「 LS(ライフサポーター)」と言われる有償ボランティアのスタッフが来て、居住者の生活補助と、更に運動やレクリエーションのお相手や指導をしてくれることです。毎月「どなたでも参加 OK! 地域の居場所イベント」というイベントカレンダーを発行していて、地域の公民館や社協等で配布され、居住者と地域の参加者との交流もあり、これからの新しいシニア世代の生き方として注目されています。
「COCO下小田」のイベント詳細ページはこちらをチェック→https://www.coco-shimooda.com/event |
因みに現在の「居場所イベント」の主なメニューには「いきいき健康イス体操」「フラダンス」「社交ダンス」「ボッチャ(玉投げ。パラリンピックの正式種目)」「ツボ押し健康法」「ハーモニカ教室」「俳句教室」「色ふで文字」「エコアート」「クリスタルボール」等々がラインナップしております。これらの講師も皆 LS(ライフサポーター)の面々で、中には居住者の方もいらっしゃいます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
また、地域のさんも参加して年に数回“COCOマルシェ”も開かれ、野菜や手作り雑貨品等を販売。フラダンスやハーモニカなどの発表会もあり、交流の場が広がっています。次回は2021年4月 10 日(土)を予定しているとの事です。講師のお一人で、ハーモニカを指導され、更に夕食作りもされ、ご自身も居住者の M さんの「料理を作るのが得意なので LS として頑張っています。みんなも手伝ってくれて“美味しい”と言ってもらえるので楽しく働いています」とのお話から、“COCO下小田ライフ”を満喫されている事がよく伝わってきました。
これらの運営を担当されている『NPO法人みなサポ』の岩井代表からは、「COCO下小田」の特徴と、熱い思いをお聞きすることができました。平井代表は、「COCO下小田のコンセプトは“自分らしく、ともに住まう自由な暮らし”。多くのシニア世代が抱える一人暮らしの不安・喪失感・孤独感を解消し、独居リスクを減らしたい。それが一番の思いです」と語ります。さらに・・・
入居条件としては・・・
〇自分で(食事・移動・トイレ)ができる方
〇他の方と仲良くできる方
〇自立と共生に共感してもらえる方
生活ルールは・・・
入居者による自治を推奨し、入居者会議による話し合いにて決定する

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
メリットとしては・・・
〇生きがいを感じる住まい方ができる
〇自由な暮らしができる
〇相互見守りができる
〇夕食はみんなで愉しく 朝昼食は自由に
〇広い共有スペースでのびのびと過ごすことができる
〇月 20 回を超えるイベントに参加できる
〇入居者だけでなく地域の方との交流ができる
〇人や社会と関わり「認知症予防」ができる
〇有償ボランティアの「 LS(ライフサポーター)」として参加すると生きがいが得られる
との事でした。“人生100年”という声が聞かれ始め、これからの生き方をチョイスする、あるいはチョイスせざるを得ない状況に遭遇した時、多世代型シェアハウス「COCO下小田」での暮らし方が、これからのひとつのお手本になるのではないでしょうか。
◆「COCO下小田(ここしもおだ)」への問い合わせは・・・
NPO 法人みなサポ(岩井)054-668-9656 まで
URL:「https://www.coco-shimooda.com/」(または「COCO 下小田」で検索)
参考:「みなサポ」http://shizukai.biz/」

焼津まちかどリポーター
すこやか宮さん
静岡県焼津市生まれ。大学を卒業後、デモンストレーターの仕事で日本全国を廻りながら「旅日記」を綴っていた。友人たちからは「フーテンの宮さん」と呼ばれている。好奇心旺盛で様々なことにチャレンジすることを楽しんでおり、公益財団法人しずおか健康長寿財団の特派員としても活動中。
記事一覧へ >