焼津市内を流れる朝比奈川で7月25日(日)に川遊びが行われ、市内から親子約30組が参加、賑やかな声が響き渡りました。
「子どもだけでの川遊びは禁止されているため、大人たちが見守る中で身近で大きな朝比奈川で思いっきり川遊びを楽しんでもらえれば」
との思いから、焼津市内の教育ボランティア「高草会」が毎年企画しています。
子どもたちのために活動する自然案内人
高草会は、29年前に、焼津市東益津地区に住む小中学校教員および退職者が呼びかけ合い、設立されたそうです。
※設立の経緯などはこちらの情報誌にも載っていますのでご参照ください
まち むら 92号 : 教師たちが火付け役に地域ぐるみで子どもたちを育成
ふるさとづくり’01 : 教師が地域で子どもたちのためにボランティア
今回の川遊びは、「ふるさとジュニアカレッジ」と呼ばれる野外体験プログラムの一環として行われました。高草会を含む東益津地区のコミュニティ18団体で構成される「やきつべの里フォーラム」が企画・運営するプログラムで、「地域をみんなで良くしよう。地域の子を地域でそだてよう」を合言葉に、東益津公民館の子育て講座への貢献を目的に行われています。
やきつべの里フォーラムでは、東益津公民館・焼津公民館・大村公民館合同で米づくり体験学習をしたり、東益津地域の各団体と交流・団体活動を支援したりと、さまざまな事業が展開されています。高草会はフォーラムの中で縁の下の力持ちとして活動しています。
資料提供 : 高草会
東益津地域の各団体と交流・団体活動を支援する活動の一部
(出前講座で、東益津小学校の生徒を高草山のキスミレ観察へ案内する様子)
川遊びの活動の様子を同行してリポート!
川遊びは大人気のプログラム!
プログラムは、全員がライフジャケットを着用して、安全対策・新型コロナウイルス感染対策を万全に講じた上で実施されました。
東益津中学校の頼もしい4人の助っ人。
ボランティアスタッフとして、ライフジャケットを身に着けるお手伝いをしたり川辺で安全を見守ったりと、一生懸命に働いていました。
伝統漁法「投網(とあみ)」の実演。
豪快に網を投げると綺麗に丸く着水、見事な技でした!
ライフジャケットでぷかぷか浮遊体験
この日の朝比奈川は水量も少なく穏やかでしたが、未就学児では頭まで浸かるほどの深みもあり、水深の深い場所や水流が強い場所の説明をあらかじめ受けます。
浅い場所でも流れに足をとられそうになったり、苔でつるつるとした石で滑りそうになりながら、その都度お父さんお母さんにサポートしてもらい子どもたちは水辺にひそむ危険性を身を持って学んでいました。
水の感触を楽しんだりしながら、上流へと歩きます。
ライフジャケットを身に着けての浮き方の指導を受けます。はじめは力が入って浮けなかった子どもも、みんなこんな上手に!
ぷかぷかと自然の流れに身を任せて流されたり、友達と競い合って泳いでみたり。周りの景色を楽しんだりしながら下流へと流されていく子どもたち。
流れが急な場所で天然のウォータースライダー体験もしました。
地元の川でこんなにワクワクする経験ができるなんて!!
思い思いに生き物との触れ合いを楽しみます!
魚を追いかけたり、網で探ったり。水草やブロックの陰にエビがうじゃうじゃいて、一心不乱に捕まえている様子も。
捕った生き物は、大きな水槽に入れて、みんなで観察しました。
左側の写真 : 本日一番の大物カワアナゴ。肉食の獰猛な性格で、このまま他の魚と一緒にしておくと食べてしまうよ~なんて教えてもらいました!保護色で真っ黒だったのが、水槽に入れた瞬間に茶色くなってビックリ!
右側の写真 : 投網でかかったエメラルドグリーン色が鮮やかなオイカワ。前回の実演では鮎が捕れたそう!
手長エビにヌマエビ。手長エビは唐揚げにしておつまみにして食べるとカリッと最高だそうです!
他には、ハヤ、沢ガニ、カダヤシ、ジャンボタニシ等々…。
過去には、このプログラムでブラックバス、ナマズが捕れたこともあったそうです。朝比奈川では、フナ、カワムツ、ウナギなども捕れるのだそうです。
水中の生き物を捕まえる罠などの解説もありました。
左側の写真 : 手前がうなぎやドジョウを捕る道具、筌(うげ)。昔は竹を編んで作ったものが使われたそうです。ジャンボタニシをすりつぶして入れると良い寄せエサになるんだよ~、なんて教えてもらいました・・・・!!
奥が魚やエビを捕る道具、コーロン。写真ではガラス製ですが、自分でペットボトルで簡単に作れます!
右側の写真 : 牛乳パックで簡単に作れる水中箱メガネの作り方も教えてもらいました。
この日は、東益津小学校の寺尾校長先生も参加されていて、昔、お父様と瀬戸川と朝比奈川で魚釣りや川遊びをした話を子どもたちに色々聞かせてくださいました。
「こんなに豊かな川が身近にあるというのは、とても恵まれたこと。また、お家の人と、安全に十分気を付けた上で遊びに来てもらえれば」
「ふるさとジュニアカレッジ」の活動に込められた思い
高草会メンバーでやきつべの里フォーラム事務局長の平井さんに、お話を聞かせていただきました。
「普段忙しくて我が子と触れ合う時間の少ないお父さんお母さんに、こうした場を活用して我が子と良いコミュニケーションを取る機会にしてほしい」
とのこと。
「子どもたちが住んでいる”焼津”がすばらしい自分たちの”ふるさと”であることに気づくことを、活動の目的としています」
そして、
「ふるさとジュニアカレッジでの体験を重ねて成長し、中学に上がった子どもが今度は OB、OGとしてサポートする側で参加してくれています。やがては地元に貢献する人材に成長してくれたら。普段から、このような活動を通じて”焼津”がすばらしいふるさとだということの意識を高めておくことが大切だと思っています。
それには、子どもたちのために地域の色々な大人が関わることが望ましいと考えています」
ともおっしゃっていました。
また、コミュニティ・スクールについても教えていただきました。
コミュニティ・スクールへ向けて
コミュニティ・スクールとは、「地域の学校」という意味で、地域住民が学校運営に関わる取り組みのこと。
※コミュニティ・スクールについてはこちらのサイトをご参照ください
文部科学省サイト : コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)
全国で取り組みが行われていて、焼津市でも令和3年度に東益津中学校区がモデル地区となり、導入が進められているそうです。
<取材を終えて>
「高草会」「やきつべの里フォーラム」などのさまざまな団体がこれまでに積み重ねてきた活動が、焼津市内へと広がっていること。地域の自然を活用したり歴史文化を掘り起こす活動は、地域の新しい魅力に気づくことにもなり、次の世代につなげていくことで子どもにとっても将来を考えるきっかけになるということを、この取材を通して知ることができました。
自身が転出してまた焼津に住んだときに、自然が豊富で温かい人柄の人が多いことを実感し、「子育てのために焼津に戻って来て良かった」と思ったものですが、今回改めてそう感じました!
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「高草会」「ふるさとジュニアカレッジ」の活動に興味のある方は、
詳しくはフェイスブックをご覧ください。
ふるさとジュニアカレッジ(たかくさ)

焼津まちかどリポーター
しま
焼津育ち、二児の母です。 休みの日は公園巡り、キャンプ、釣りなどして過ごしています。 より多くの方に焼津の魅力を知ってもらえたらなと思います。よろしくお願いいたします。
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